異なるフーリエ級数の形式
フーリエ級数について勉強中、参考文献[1][2]で異なるフーリエ級数が記載されていて混乱した。
参考文献[1]のフーリエ級数(実フーリエ級数)は次式である。
ウィキペディアで調べてもこの形。は実フーリエ係数と呼ばれるもので、次式で定義される。
一方、参考文献[2]のフーリエ級数は次式で、正弦波信号の和の形である。
ここでは、以上の2つの式が一致することを確かめる。
ふたつの式の形を近付ける
まず、式(2)を変形して式(1)に近付ける。まず記号を使って総和形式にし、三角関数の加法定理でcosを分解、最後に式(1)に近づけるべく順番を入れ替える。
かなり式(1)に近付いた。あとは次を示すことができれば、式(2)は式(1)に一致するといえる。
右辺のフーリエ係数は、信号にそれぞれ余弦関数、正弦関数をかけて積分したものである。
しかし、左辺に信号は影も形もないので途方に暮れそうになる。
振幅と位相を信号を用いて表す
そもそも式(2)は、信号を、振幅と位相を用いて表した式である。
逆に、振幅と位相を、信号を用いて表せば、式(3)を示すことになる。
手順は、
1. 式(2)を複素指数形に変換し、との関係を取得する。
gyokan.hatenablog.com
2. 複素フーリエ係数を実フーリエ係数で表す。
gyokan.hatenablog.com
3. 式(3)を示す。
式(4)と式(5)が一致するので、
式(6)の両辺を二倍し、左辺をオイラーの公式で展開すると、次式が得られる。
式(6)と式(6-2’)により、式(3)を示すことができた。
従って、式(1)と式(2)は一致する。
参考文献
[1]
- 作者: 小坂敏文,吉本定伸
- 出版社/メーカー: 近代科学社
- 発売日: 2016/03/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 浜田望
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2018/01/16
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る