複素指数形フーリエ級数からフーリエ係数を取得
ここでは、複素指数形フーリエ級数からフーリエ係数を取得する式を導出する。
式の変形
式(1)に式(2)の性質を適用するために、式(1)の形を式(2)に近づけていく。まず、式(1)の両辺にをかける。
続いて、両辺をからの範囲で積分し、で割る。
さらに式(4)の右辺のを積分の外に出す。
これにより、式(5)の右辺に、式(2)の左辺と全く同じ形が出現した。式(5)の右辺は、を用いずに書くと
であり、複素指数信号の集合の直交性により以外の項以外は消えるから、式(5)は次のようになる。
すなわち、フーリエ係数は、
となる。
まとめ
式(1)と式(8)を合わせてフーリエ級数の対と呼ぶ。ただ暗記するだけだと覚えにくく忘れやすい。
正弦波信号の和から複素指数形フーリエ級数へ - 数学がわからないとあわせてどうやって導かれたのかを理解しておけば、必要な時に自分で式変形して思い出すことができる(かもしれない)。
参考文献
- 作者: 浜田望
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